新井貴浩氏(画像)
大会組織委員愛は12月17日、東京五輪聖火リレーの詳細ルートや、リレーの最初のランナーになでしこジャパンのメンバーが起用されることなどを発表した。巨人の原辰徳監督やDeNAのアレックス・ラミレス監督も聖火ランナーに選ばれた。
広島県の聖火リレーは5月18日に三次市を出発する。三次市は1964年の東京五輪開会式で最終ランナーとなった故坂井義則氏の出身地。坂井氏は昭和20年8月6日に三次で生まれ国内外メディアから「アトミックボーイ」の名で紹介された。
初日のゴールは平和記念公園。2日目の19日は原爆ドームの前の元安川は日本泳法で聖火を繋ぎ、宮島に向かう。
広島県実行委員会からは、カープV1戦士のひとり、大下剛史氏(75)やカープリーグ3連覇の原動力となった新井貴浩氏(42)も聖火ランナーを務めることが発表された。サンフレッチェ広島のアンバサダー森崎浩司氏(38)や2016年リオデジャネイロ五輪・水泳平泳ぎ金メダリストの金藤絵里氏(31)、前回東京五輪柔道超軽量級の金メダリスト、中谷雄英氏(78)も聖火を繋ぐ。
大下氏は広島県安芸郡海田町生まれ。広島の戦後の歴史を変えた、1975年のカープ初優勝の立役者のひとり。同じV1メンバーで海田町出身の三村敏之氏は残念ながら2009年10月に他界した。また、国民栄誉賞の同じくV1戦士、衣笠祥雄氏も2018年4月に帰らぬ人となった。大下氏は様々な思いを背負って令和の広島を疾走する。
日本人初の五輪金メダリスト、故織田幹雄氏の実家も大下氏の実家に近い。海田町では2020年4月に複合施設「織田幹雄スクエア」を開設する。聖火は1928年、アムステルダム五輪での織田氏の三段跳び金メルダルの”時”と”今”とを繋ぐ。
新井氏は大下氏の駒沢大学後輩にあたる。
新井氏はカープ入団1年目から一軍で起用されたが、ホームベース遥か手前のワンバウンドする投球を空振りするような状況だった。が、この時、山本浩二監督の下でヘッドコーチを務めた大下氏は新井氏を一軍で起用し続けた。
その後の新井氏の野球人生はここで語る必要もない。
新井氏は株式会社博報堂DYメディアパートナーズ(本社:東京都港区 社長:矢嶋弘毅 )が株式会社博報堂DYスポーツマーケティング(本社:東京都港区 社長:岩佐克俊)、 データスタジアム株式会社(本社:東京都港区 社長:加藤善彦)と共同で行なった、 アスリートの総合的なイメージを測定する「アスリートイメージ評価調査」(2018年10月調査)でベスト5入りしている。
「親しみやすい」アスリート
1位:大坂なおみ(テニス)
2位:平野美宇(卓球)
3位:大谷翔平(野球)
4位:田中将大(野球)
5位:新井貴浩(野球)
広島だけでなく全国の人々から親しみを持たれる新井氏は広島生まれ、広島育ち。広島っ子がみんなそうであるように「はだしのゲン」を見て育った。
阪神に在籍中も、ゲンの著者である中沢啓二氏と交流を続けた。2012年12月、広島市内の病院で息を引き取った中沢氏の思いも引き継ぐ。そして未来の広島っ子たちに向けて、自身もまた”平和リレーの繋ぎ手”として走り続ける。
新井貴浩氏の話
「平和であるからこそ全力で野球に取り組むことができました。広島で生まれて、広島で育ててもらった人間として、これだけプロスポーツが身近な地域はほかにはないと思います。僕も生まれた時から野球が好きで、カープが当たり前のようにそばにあって、当たり前のように応援するようになりました。そうした環境を誇りに思って欲しいし感謝して欲しい、なかなかこんな環境はないのですから。次の世代のみなさんにも、もっと素晴らしい広島になって欲しいと願って生きて欲しいと思います。広島は特別な街なんだと…」
(ひろスポ!・田辺一球)
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