トップ画像は2018年4月1日の中央公園自由広場、ここをサッカースタジアム候補地と”したい”広島市などと、基町地区住民側の意見がまっこうから対立している。この貴重な空間にスタジアムを建設した場合に得るモノと失うモノを、客観的に判断する材料がない。ひろスタ!特命取材班は、長らく広島市に住み、基町エリアをくまなく歩いてきた経験から、失うモノの方が多いと考える、逆に旧広島市民球場跡地は得るモノの方が多いと考えるのだが市民はどうか?
まったく動きなし、基町地区住民話し合いの気配ゼロのまままた4月を迎えた。今、広島のサッカースタジアム問題はどうなっているのか?
まあ、日本経済新聞が書いた通り「漂流」中なのは間違いない。
すでに2016年4月の時点でこうなることは分かっていた。過去の動きを見れば、国会で問題になっている公文書改ざんも顔負けの真実が次々に浮き彫りになってくる。
1年後、2017年4月の時点では、もうどうにもならなくなっていた。真実を隠し、水面下で工作するとこうしうて「漂流」するハメになる。
広島市民にとって、これ以上の不利益はない。
最近で言えば、「基町の明日を考える会」が広島市役所に直接乗り込み、松井市長に中央公園をスタジアム候補地とすることに改めて反対の意思を明確に示したのは2月14日。
それから広島市は、まったくリアクションを起こせないでいる。
現時点で基町地区住民側は「4月に話し合いの予定はない」と言い切り、そうなると5月はGWなどでバタバタ…。いったいいつになったら、スタジアム建設候補地が確定するのか?
今から2年前、2016年3月29日、松井市長は次のように話している。
記者質問「4者会談の時期、見通しは?」
市長 「ありませんサンフレッチェ広島の対応しだいです」
記者質問 「広島みなと公園優位は変わらないか?」
市長 「変わりようがありません。判断を変える素材がないのですから。このリリースにあるように、県立体育館武道場など周辺建築物の扱い、収容人数の基礎とスタジアムの仕様、年間を通じたにぎわいを創出するための機能、広島みなと公園の場合、年間収支が赤字となる根拠、こういったことの情報を最初にいただきたい」
※このあと紹介する4月1日ひろスポ!記事から
「変わりようがありません」などと言ったのなら、なぜそのスタンスを変えたのか?
何度でも繰り返すが、2年前の3月末の時点からスタジアム問題は市の責任において、とんでもない方向へと進んでしまった。
「早期実現」の市民の声にまったく応えようとしない松井市長に対しても、安倍首相と同様、民意の反発が示されることになりそうだ。
ひろスポ!2016年4月掲載記事
広島みなと公園へのサッカースタジアム案は消滅へ…、松井市長の「ファンがいるからというのではなく」発言からエイプリルフールに思うこと(4月1日掲載)
hirospo.com/pickup/28205.html
サッカースタジアム問題で”都心部”から松井市長、湯崎知事らへまた強烈カウンター攻撃、東洋経済オンライン「渦中の久保允誉会長に独占インタビュー」(4月2日掲載)
hirospo.com/pickup/28255.html
テレビ東京でも、広島サッカースタジアム問題か!?4月2日深夜のFOOT×BRAINで(4月2日掲載)
hirospo.com/pickup/28283.html
核心部分!協議会の最終報告は一部委員から署名を拒否されていた…ひろスポ!は見た!「サッカースタジアム検討協議会」の誰がどうやって広島みなと公園を祭り上げたのか?(4月3日掲載)
hirospo.com/pickup/28337.html
「サンフレッチェ広島は2位でいい」の広島市松井市長、今度はサンフレッチェ広島の対応を厳しく批判、して再び全国区へ(4月4日掲載)
hirospo.com/pickup/28343.html
山根副会長「議事録を見てから…、われわれが5つ残したんだから」ひろスポ!は見た!「サッカースタジアム検討協議会」の誰がどうやって広島みなと公園を祭り上げたのか?(2)(4月4日掲載)
hirospo.com/pickup/28354.html
スタートからまる1年で市民アンケート、しかもスタジアム建設場所問わずの不思議?ひろスポ!は見た!「サッカースタジアム検討協議会」の誰がどうやって広島みなと公園を祭り上げたのか?(3)(4月4日掲載)
hirospo.com/pickup/28371.html
「議事録」途中からなしでも「もう決めたこと」と山根副会長…ひろスポ!は見た!「サッカースタジアム検討協議会」の誰がどうやって広島みなと公園を祭り上げたのか?(4)(4月6日掲載)
hirospo.com/pickup/28438.html
19回も協議を重ねたが実は16回目でも何も決まらず…ひろスポ!は見た!「サッカースタジアム検討協議会」の誰がどうやって広島みなと公園を祭り上げたのか?(5)(4月8日掲載)
hirospo.com/pickup/28480.html
日頃「平和都市広島」を声高に語る松井市長、湯崎知事がなぜサッカースタジアムで「平和」を語らないのか?市長選松井市長の”私怨”から、平和の理念体現の森保監督までの考察(4月9日掲載)
hirospo.com/pickup/28506.html
シンパイ!広島県からセンパイ!広島県へ、旧広島市民球場跡地へのサッカースタジアム建設で産業構造大変革!わしらは”スポーツ”立都市”を目指すんじゃ!(4月11日掲載)
hirospo.com/pickup/28538.html
外から見た広島について「最近、話題のサンフレッチェ、スタジアム問題は自治体の長が非常に消極的なことがネックになっているわけですけど…」と一刀両断(4月13日掲載)
hirospo.com/sanfrecce/28629.html
サッカースタジアム問題で「決定延期」から音沙汰ない3者会談にサンフレッチェがカウンター「2万5,000人」スタジアムの意図・意義・意気込み(4月15日掲載)
hirospo.com/pickup/28664.html
サンフレッチェ広島・久保允誉会長が松井市長ら3者会談側に話し合い開始の呼びかけ(4月15日掲載)
hirospo.com/pickup/28671.html
広島のサッカースタジアム問題、朝日新聞、NHKが「広島市にスタジアムを寄付」と特ダネ報じても1行も書かない中国新聞の不思議(4月18日掲載)
hirospo.com/pickup/28752.html
Jリーグ王者サンフレッチェ広島vs広島市と県、仁義なき戦い…週刊プレーボーイ誌、広島サッカースタジアム問題特集(4月18日掲載)
hirospo.com/pickup/28775.html
サンフレッチェ久保会長、サッカースタジアムが「みなと公園に決まるなら会長を降ります」と4月19日付朝日新聞で明言、それは広島市Jクラブ消滅の序章…(4月19日掲載)
hirospo.com/pickup/28780.html
なぜ「みなと公園優位」か詳細を広島市4月20日発表、旧広島市民球場跡地のサッカースタジアムは市民らにどんな魅力、サービスを提供するのか?サンフレッチェ5月13日公表!(4月20日掲載)
hirospo.com/pickup/28794.html
広島市がなぜ「広島みなと公園優位」かの詳細資料公表、驚くべきことにコスト詳細たった1ページ、さらにみなとの複合施設詳細はホテル併設かMICE施設だけ(4月20日掲載)
hirospo.com/pickup/28817.html
サッカースタジアム問題、松井市長まるで他人事「気運は高まった」「結果を待つ」4月21日の定例会見で(4月21日掲載)
hirospo.com/sanfrecce/28846.html
サッカースタジアム問題で中国新聞、またアンチサンフレッチェの見出しで記事展開「自治体関与避けられず」(4月21日掲載)
hirospo.com/pickup/28867.html
ついにヤフーニュースのトップ項目!「広島新スタジアムはなぜもめるのか」(4月24日掲載)
hirospo.com/pickup/28928.html
サンフレッチェ久保会長、広島市などが示したサッカースタジアム詳細資料を「民間企業であればイチからやり直し」と一蹴!それもそのはず、まるで数字遊び…?(4月25日掲載)
hirospo.com/pickup/28991.html
サンフレッチェ広島の久保会長「旧広島市民球場跡地で100万人集客」日本経済新聞が伝える(4月27日掲載)
hirospo.com/pickup/29051.html
以上、2016年4月掲載分の記事からは広島市など3者側と、サンフレッチェ広島、サンフレッチェ広島の久保允誉会長との対立の構図がはっきり見て取れる。
その原因を作ったのがサッカースタジアム検討協議会だ。
その議事録さえない話し合いは19回に及ぶ。そのほかにも話合いを何度も持ったが、この過程をつぶさに見ていくとやはり、サンフレッチェ広島の意向を無視した議事運営がまかり通っていたことが浮き彫りになる。
さらに広島市など3者側の意向に沿った記事に偏重した中国新聞と、広島”圏外”メディアの論調が、正反対なこともよく分かる。
広島の常識は日本の非常識…か…
ついでに1年前の4月のひろスポ!記事も集めてみた。
ひろスポ!2017年4月掲載記事
安倍首相から名指しされた!?広島…まったく聞かなくなった?広島サッカースタジアム問題、実は国家戦略として進行中!(4月10日掲載)
hirospo.com/pickup/37261.html
広島みなと公園案は国家戦略上NG、広島のマチナカ・サッカースタジアムは国家戦略上◎(4月11日掲載)
hirospo.com/pickup/37275.html
国家戦略の広島サッカースタジアム、1年前に「サンフレッチェ、カープは社会的公共財として重要なポジションにある」と主張するレポート届く(4月12日掲載)
hirospo.com/pickup/37321.html
欧州クラブをモデルに、紙屋町地下街シャレオ東通りにオフィシャルショップ「V-POINT」オープン、「3世代交流スタジアム」目指すサンフレッチェ広島(4月12日掲載)
hirospo.com/pickup/37338.html
安倍首相の下、進められる「未来」スタジアム構想、広島での第一歩、Bリーグチェアマンがサンフレッチェ広島織田社長、広島ドラゴンフライズ福岡会長と意見交換(4月13日掲載)
hirospo.com/pickup/37358.html
特報!国策広島マチナカスタジアムへ…Bリーグチェアマンがサンフレッチェ広島、さらに松井市長を電撃!?訪問でB&Jリーグ前進…(4月14日掲載)
hirospo.com/pickup/37379.html
安倍首相から名指しされた!?広島サッカースタジアム問題続報!県議会で国家戦略、「未来都市会議」案を積極的に活用せよ!の声あがる(4月19日掲載)
hirospo.com/pickup/37449.html
以上、2017年4月の記事には2016年4月と比べて不思議なほど松井市長、湯崎知事、広島商工会議所の深山会頭も含めた3者側が出てこない。
いや”出てこれない”のである。
広島みなと公園案がとん挫して、残ったのは当然、旧広島市民球場跡地だけなのに、それはしたくない、というのが松井市長、広島商工会議所ビル建て替えの時期を見計らっている深山会頭…そして広島みなと公園案”オウンゴール”の湯崎知事。
…なので、けっきょく「中央公園案」をこのあと深山会頭の名において引っ張り出してきて、基町地区住民がとばっちりを食うことになった、という”だけ”の話である。
広島サッカースタジアム漂流の原因を作ったのが誰か、なのは明確で、3者側が本当のことを言わないまま、あるいはその方針を変えないまま、時の過ぎゆくのを待ち、自分たちからはもうアクションを起こさない。
大遅延行為は一発退場のはずだが…
このままでは、広島は、この先も次々にライバル都市にスタジアム建設、アリーナ建設競争の舞台で置いてけぼりを食うことになる。
湯崎知事も松井市長も、深山会頭もやがて、広島市民、広島県民の目には触れない立場になる。かつての秋葉市長がそうであったように、旧広島市民球場跡地のようなとんでもない「負の遺産」を地域住民に遺したまま余生を過ごす。地域住民はたまったもんじゃない。
3者の愚行に待った!をかけるべき時は、もうとっくに来ているはずなのだが…
ひろスタ!特命取材班