画像はトークイベントで市民らを前に話をする弓狩匡純さん
こども図書館移転問題を考える市民の会と広島文学資料保全の会が共催する「図書館移転問題を考えるトークイベント2022」が4月17日、広島市中区の広島市青少年文化センターで開催された。
午前10時からおよそ2時間のイベントでは作家・ジャーナリストの弓狩匡純さんの基調講演がおよそ1時間あり、そのあとこれまでの広島市議会の動向など経過報告とディスカッションが行われた。
弓狩匡純のオフィシャルホームページ (japanews.co.jp)
会場には用意された席数を上回る、100人以上の市民らが集まった。男女の割合はほぼ半々だった。
ひろスポ!では、このイベント開催告知記事の中で「こども図書館は、現在、整備が進められている旧広島市民球場跡地や、新サッカースタジアム建設地のそばにあり、まさに一体的な活用策が論じられるべきエリアとなっている。」と紹介した。
弓狩匡純さんもやはり、まったく同じことを基調公演の中で極めて重要なポイントに挙げていた。「平和の軸線」の話もあった。
弓狩匡純さんの講演のポイント
・公共図書館は知の拠点
・さらにコミュニティ、地域社会の拠点
・広島のアイデンティティとしての平和情報・資料の一元化と保存、提供
・人材を広島に集め地元企業で活躍する人作りを後押しする図書館機能
・世界的にも珍しい図書機能×スポーツ機能による独自展開
実はこうした点が広島市と松井市長が最も不得意とする、あるいは軽んじる部分、である。
すでに松井市長には、旧広島市民球場跡地に新スタジアムを建設する、という大多数の市民の声を抑え込んだ”前歴”がある。
この件ではサンフレッチェ広島独自プランとして、旧広島市民球場跡地にスタジアム内からでも原爆ドームが見える独自のスタジアムが提案されていたが、けっきょく建設場所を旧広島市民球場跡地から徒歩10分足らずの中央公園に無理やり押し込み、建設に着手した。
これは、広島東洋カープからサンフレッチェ広島が旧広島市民球場跡地に入ることへの”抵抗感”を強く伝えられた松井市長の判断によるものだ。市民の声より広島東洋カープの”エゴ”が優先されたことになる。
市の担当者は結論ありき、で動き、目の前の中央公園でのスタジアム建設に猛反対していた基町住民への説得やサンフレッチェ広島に対する調整を行った。
さらに、いざ、新サッカースタジアムを建設するという時になって、今度は中央公園の地中に、旧日本陸軍の被爆遺構が極めて大きな規模で存在することが発覚した。遺構の存在を確認した市はしばらくそのことを伏せていたが中国新聞にすっぱ抜かれて大騒動になった。
だが、この件もけっきょく県内外の専門家や市民の声に抗い、広島市は保存を最優先する道を選ばなかった。松井市長は当初からそういうスタンスの発言を繰り返していた。そこには”平和遺産など二の次”の本音が見え隠れする。
ひろスポ!ではすでに、ウクライナ戦争問題における松井市長の消極的な言動に対して様々な角度から疑問を呈してきた。
弓狩匡純さんも講演の中で何度もウクライナ情勢やそれに関わるロシアの核使用の可能性の問題に触れていた。
当然、広島市からはそんな声は聞こえてこない。
公共の図書館はどうあるべきか?
それが被爆都市広島のケースであるなら、どんな機能が必要で、どんなロケーションにあるべきか?世界中の人たちから、どんな存在として見てもらうべきか?
広島市では2021年11月、唐突に「中央図書館」「映像文化ライブラリー」「こども図書館」の3施設をJR広島駅前のエールエールA館に移転させる案を市議会に報告してきたが、上記のような図書館と平和発信とこどもたちの未来という視点での論議は皆無であったと想像する。
サッカースタジアム建設問題で何度も「平和」を軽視してきた松井市長の下での案件であるから、そうに違いない。
そして松井市長のジャッジメントには、必ず市民に知られては不都合なステークスホルダーが存在する。
広報ひろしま「市民と市政」4月15日号の一面にはでかでかと「安佐市民病院」開院のことが掲載されているが、これは可部線の電化延伸というJR西日本の大事業に欠かすことのできない、もっと言えばセットになった投資だった。
多くの市民も今ある場所の人たちも反対したが、パワープレーで町中から遠く離れた、しかも太田川の水害で何年かに一度大変な被害が出そうな場所に持って行ってしまった。高齢者にとってのメリットは何ひとつない。
愚かな移転、とひろスポ!が考える安佐市民病院開院を告げる広島市広報紙。ひろスタ特命取材班はかつてこの新病院界隈を通り、広島市内と太田川上流地域間を業務のため通っていた。なぜ、わざわざあの場所に?というのが素直な印象だ。
今回の図書館移転もそう、だ。子どもたちにとってのメリットゼロ…だが、まさに今、JR広島駅はその本体も周辺も大工事中である。
「駅前は商業施設に人が来ない」(広島駅周辺での声)というのが定説となっており、その穴埋めを子どもたちや図書館利用者にさせようというのが今回の松井市長の発想、ということになる。
ゆえに、ひろスポ!ではこの問題を今後も追いかける。
弓狩匡純さんも私案の中で、今建設中のサッカースタジアム東側敷地の地下レベルに新集約施設を組み込めばいい!と力説していた…(ひろスタ特命取材班)
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